ライフプランを考える

借り入れの際に必要な諸費用 住宅ローンの借り入れの際、ライフプランを考えることは大切です。
今後のお金の流れを把握して無理のないマイホーム計画を立てなければいけません。
ここでは、会社員にAさんと専業主婦の妻、5歳と3歳の子供の4人家族を例にライフプランについて考えてみましょう。
Aさんの年収は680万円(手取りは約8割)、妻は子供が2人とも小学校に入学したらパートに出て60歳まで働く予定で年収は84万円です。
子供の進路は、幼稚園は私立、小学校から高校までは公立、大学は私立の予定です。
現在の生活費は月平均24万円で年間288万円、貯蓄は600万円、住宅購入の際には親から600万円の援助をしてもらえます。
まずは、Aさん一家の今後の収入と支出の流れを考えます。
後4年間は子供が幼稚園に通っているため、支出はやや多めになりますが、その後大学入学までは比較的余裕のある期間となります。
子供が大学に進学時には教育費がピークになるので、それまでに貯蓄の準備が必要になるでしょう。
2人とも大学を卒業したら余裕ができるので、住宅ローンの完済と老後生活資金の準備をします。
退職後は公的年金が支給される65歳までの間、無収入期間があります。
公的年金の支給が始まっても生活費の方が収入を上回ってしまいます。
つまり、一番の課題となるのは、子供の教育費と老後の生活資金です。
大学入学後は、住宅費を考慮すると数年間は赤字になるので、住宅にかかる費用を払いながら貯蓄をすることが必要です。
大学卒業後は住宅ローンの繰り上げ返済を行い、総返済額を圧縮することがポイントとなるでしょう。
では、これから得られる生涯年収から住宅資金を計算します。
夫の収入額は年1.5%で上昇、50歳以降は年1%上昇、退職金を2,340万円とします。
年金収入は夫が65歳から195万円、妻が65歳から73万円、夫は80歳までで計算します。
すると、現在の貯蓄と親からの援助を含め、生涯年収は約2億6,600万円です。
生活費は年1%で上昇し、夫退職後は生活費8割、今日日は年2%で上昇するものと計算します。
60歳までの生活費8,530万円、老後の生活費6,571万円、教育費が2,750万円です。
Aさんが住宅などに使える金額は8,783万円となります。
しかし、この金額は物件の購入予算ではないので注意が必要です。
住宅ローンは借りられる額ではなく、返せる額であることが大切です。
その計算式は、(収入-住宅費以外の支出-住宅の年間維持費-貯蓄)÷12カ月です。
Aさんの場合、収入が544万円、支出が341万円、年間維持費が40万円。
貯蓄が24万円となり、返済に充てられるのは約12万円です。
ここから、借入額を算出します。
金利3%、返済期間35年の場合、借入可能額は3,110万円になります。
マイホームの購入予算の計算式は(借入可能額+預貯金+親からの援助金)-(諸費用+手元に残しておく預貯金)です。
諸費用は、新築なら5%程度、中古なら8%程度です。
手元に残しておく預貯金は、生活費の3か月から6カ月分を目安にします。
Aさんの場合、諸費用が300万円、手元に残す預貯金が200万円なので、購入予算は3,810万円になります。

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